STAPLE によるマスク合意
データセットにはどのマスクを記録すべきで、誰がうまく描けたのか。STAPLE は評価者ごとの感度と特異度を伴う潜在境界を推定し、丁寧なアノテーターが数で劣る場合に多数決を上回ります。
一致度は「彼らが一致しているか」に答えます。「データセットにはどのマスクを記録すべきで、誰がうまく描けたのか」には答えません。 これは別の問いであり、別のモデルを必要とします。
なぜ MACE ではないのか
MACE は各アノテーターを、有限で共有されたラベル集合の上で「知っている」か「当てずっぽう」かとしてモデル化します。マスクは境界のない空間に存在し、推定すべきカテゴリ変数を持ちません。無理に通そうとすればラベル集合をでっち上げることになり、そのでっち上げが答えを決めてしまいます。
STAPLE は何をするか
STAPLE(Warfield、Zou、Wells、2004)は医用画像分野で確立された手法です。ピクセルごとのラベルに対して期待値最大化法を回し、アノテーターごとに次を推定します。
| 意味 | 値が低いということは | |
|---|---|---|
| 感度 | 真の前景のうち、どれだけを含めたか | 過小分割 — 境界の内側に描いている |
| 特異度 | 真の背景のうち、どれだけを正しく除外したか | 過大分割 — 対象の周りに大きめに描いている |
両方を報告するのは、修正の方向が正反対だからです。単一の「精度」値ではこの二つの失敗を同じに採点してしまい、アノテーターは何を直せばよいか分かりません。
多数決ではなく重み付き合意
丁寧なアノテーターの不一致は、雑なアノテーターのそれよりも合意結果を大きく動かします。そしてアルゴリズムはどちらがどちらかをデータ自身から割り出します。
丁寧なアノテーター二人が、雑なアノテーター三人に三対二で数負けしている状況で測定した結果です。
| 手法 | 正解に対する Dice |
|---|---|
| 多数決 | 0.846 |
| STAPLE | 1.000 |
多数決では雑な三人が結論を決めてしまいます。STAPLE は、丁寧な二人が互いに一致し、雑な三人はそうでないことに気づきます。
知っておくべき注意点
- あるクラスのインスタンスを三つ持つアノテーターは、その和集合を提供します。STAPLE はピクセル単位で比較するため、インスタンスを分けて扱うにはまずアノテーター間で対応づける必要があり、それは検出の問題としてジオメトリの一致度で別途扱われます。
- マスクを持つアノテーターが二人未満の項目は、黙って捨てるのではなく数えたうえでスキップします。そうしないとカバー率を過大に見せてしまいます。
コストの制御
ペア比較はアノテーター数および項目あたりのインスタンス数について二次的に増えます。アノテーター五人、画像あたり 50 インスタンスのプロジェクトでは画像ごとに 25,000 回のマスク復号となり、管理ページの読み込みがハングします。
max_pairs という上限があり、既定値は 200,000 です。これに達した場合は次のようになります。
- 項目は丸ごとスキップされ、半端に測定されることはありません。部分的に処理された項目は、たまたま処理されたアノテーターのペアのほうへ平均を偏らせるからです。
- レポートは
truncated: trueを設定し、実際に収まった項目数を明示します。
完全な数値に見える打ち切られた一致度は、数値がないより悪いものです。それは必ず引用されるからです。
関連ページ
- ジオメトリの一致度
- 対話的セグメンテーション
- MACE — 本当にカテゴリカルな部分向け
- ソースドキュメント